マルチタイムフレーム分析 (MTF) はチャートの時間足よりも上位の時間足で同じティッカー/インジケーターを確認するプロセスで、今回わずか2クリックで、例えば1時間足のチャート上に日足の移動平均線を表示できるようになりました。マルチタイムフレーム分析はトレーダーが長期トレンドを考慮しチャートのプライスアクションを位置づける為に利用されます。
カスタムチャート時間足やマルチチャートレイアウト、そして最も重要な他のティッカーや時間足のデータリクエストを可能とするPineの `security` 関数のサポートによってMTFは実現されており、TradingViewは常にMTFを細かく調整しています。Pineの公開ライブラリでは、`security` 関数を利用した多数の優れたMTFスクリプトの例を見つける事ができます。それらのいくつかはこの記事の最後に掲載しています。
この最新のアップデートで、内蔵インジケーターの多くにMTF機能が追加されています。パラメータータブの新しい「時間足」のドロップダウンメニューを使用してインジケーターの時間足の変更が可能となっています。これはトレーダーの方に新たに多くの可能性を提供します。
Pineコーダーの方は、内蔵インジケーターで利用しているものと同じ「時間足」パラメーターをご自身のスクリプトでも利用する事ができます。スクリプトの `study` 宣言のステートメントでパラメーターを追加するだけです。コーダーの方は簡単な方法でスクリプトにMTF機能を追加する事ができ、それによりユーザーはインジケーターを実行する時間足を選択できるようになります。`resolution` パラメーターのデフォルト値には、ドロップダウンの値に対応する任意の時間足の文字列を設定する事ができます。空の文字列 (“”) はチャートの時間足を表します。このパラメーターを利用する事で自動的に「時間足」の入力項目がスクリプトのパラメータータブに追加されます。
例えば5分足チャートを利用したいけれども、日足の移動平均線を表示したいとします。以前は `security` 関数を利用してこれを行う必要がありました:
//@version=4 study(title="Moving Average", shorttitle="MA with security", overlay=true) len = input(9, minval=1, title="Length") src = input(close, title="Source") out = sma(src, len) res = input(title="Resolution", type=input.resolution, defval="1D") s1 = security(syminfo.tickerid, res, out, gaps=true) plot(s1, color=color.red)
しかしこれからは以下の様に `study` の呼び出しに、`resolution=”D”` を追加するだけです。
//@version=4 study(title="Moving Average", shorttitle="MA with resolution", overlay=true, resolution="D") len = input(9, minval=1, title="Length") src = input(close, title="Source") offset = input(title="Offset", type=input.integer, defval=0, minval=-500, maxval=500) out = sma(src, len) plot(out, color=color.blue, title="MA", offset=offset)
新しい `resolution` パラメーターは比較的単純なスクリプトにMTF機能を追加する簡単な方法を提供します。より複雑なPineスクリプトで上位の時間足の情報で高度な計算を実装するには、引き続き `security` 関数が必要です。
「時間足」のパラメーターを表示するには、インジケーターをチャートに「再適用」される必要があります。
以下は公開ライブラリのMTFスクリプトの例です:
[RS]Multiple Time Frame Relative Strength Index
MTF Selection Framework – PineCoders FAQ
How to avoid repainting when using security() – PineCoders FAQ
このアップデートとこれらのソースコードがお役に立てば幸いです。引き続きコメントやフィードバック、リクエストをお寄せください。それらを拝聴しオンラインコミュニティの為に構築したいと考えています。
どうかご安全に。
TradingView Pineチーム