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【手法&トレード解説】【+55pips】フィボナッチを使ってエリオット波動3波を根こそぎ取る手法

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FX:EURUSD   Euro / U.S. Dollar
【はじめに】

この投稿は、2020/08/05のEURUSDのトレード解説ならびにそのときに使ったトレード手法解説です。
環境認識〜利益確定まで以下のように順を追って説明していきます。

①環境認識
②エントリーパターン発生確認
③トレードプランニング(エントリー位置・損切り・利確目標設定)
④エントリー
⑤利益確定

なお、著者のトレードスタイルは「ダウ理論」「順張り」「マルチタイムフレーム分析」をキーワードとした手法が主です。
また、本手法を利用した方の利益を100%保証するものでないことをご了承ください。

※トレード初級者〜中級者の方に読んで頂くことを想定し、できるだけ丁寧に書きます。
※図中で使用しているインジケータは「20SMAボリンジャーバンド(標準設定のまま)(灰色)」「50SMA(水色)」「200SMA(紺色)」ですが、見やすさのため非表示にしている場合があります。




【手法&トレード解説】

①環境認識

 環境認識は4時間足以上を目安にチャート分析をします。
環境認識は買いか売りの目線を決めることが主な目的です。

緑チャネルのように、このときのEURUSDは上昇トレンドで、買い勢力が強いのが明らかです。(図1-1)

前週に大きな上昇があり、エリオット波動の推進5波が終了。調整の下落に入ったと見ていました。(図1-2:青線)

しかし、調整の下落が水色50SMA(=1時間足200SMA)に支えられ、下げ止まり。
安値が切り上がったWボトム模様のローソクが形成され、上への勢いがかなり強いと判断しました。(図1-2:吹き出し説明)

よって、「買い目線」となり、買いのエントリーパターンが発生するのを待ちます。→②へ

(図1-1)4H足:EURUSD俯瞰

(図1-2)4H足:EURUSD拡大




②エントリーパターン発生確認

 ここからは1時間足以下のチャートを巡回しながら、エントリーパターンの発生を確認していきます。
私がこの段階でよく使用するのは1時間、30分、15分です。

15分足レベルでWボトムが形成され、大きな陽線を確認しました。(図2-1:吹き出し説明)
この陽線がエリオット波動の1波になる可能性が高く、2波の押し目を待って、3波の初動からエントリーしたいと考えました。→③へ

(図2-1)15m足:EURUSD


(コラム的なメモ①)
ここで1波から根こそぎ取りたい!と考える方もいると思いますが、それはとても難しい(=ギャンブルトレードになる)と思います。
基本的に1波は変態レベルで資金を投入できる機関投資家の買い(または売り)を起点に始まり、それを後追いする個人投資家の参加により大きなローソクを作ると言われています。
その発生を予測することは難しく、もし上手く利益が取れたとしてもそれはたまたまでしかないと考えます。
また、この1波に対して逆張りする投資家も当然多く、逆張り派が勝って逆行することは日常茶飯事です(=エリオット波動発生失敗)。




③トレードプランニング(エントリー位置・損切り・利確目標設定)

 ここでは、どこからエントリーして、どこで利確&損切りするかを決めていきます。
ここでとても役に立つのが「フィボナッチツール」です。
TradingViewでは「フィボナッチリトレースメント」「フィボナッチエクスパンション」が定番でしょうか。
※フィボナッチツールを使ったことがない方は下方の「コラム的なメモ②」を先に読んでみてください。

『1.エントリーポイントの絞り込み→2.損切り位置決定→3.利確目標決定』の順で進めます。
使用するチャートの時間足は「②エントリーパターン発生確認」で使ったのと同じにするのが良いです。(ここでは15分足)


1.エントリーポイントの絞り込み
 ②のエントリーパターン発生確認で「2波の押し目を待って、3波の初動からエントリーしたい」と書きました。
ということは、今知りたいのは「2波の終わりがどこになるか(=3波の始めはどこになるか)」ということです。

「2波の終点は、1波の長さの38.2%〜61.8%の範囲に収まることが多い」と言われます。
ここで「フィボナッチリトレースメント」を使って2波の終点を予測することができます。
図のように1波の終点から始点に向かってツールを当てます。(図3-1)
1波の始点は、ローソクの安値に当てるよりも20SMAとの交点に当てるほうが精度が高い気がします。

この予測した範囲で2波の終点→3波の始点を捉え、エントリーします。(具体的には④で説明)
実際に2波の終点は38.2%ラインでほぼぴったり収まりました。(図3-2)

(図3-1)15m足:EURUSD フィボナッチリトレースメントで2波の終点を予測
(図3-2)15m足:EURUSD 2波の実際の終点




2.損切り位置決定
まず、損切りは必ず設定してください。
損切りを置かないトレーダーは、相場のカモにされます。

さて、損切り設定の考え方は割とシンプルです。
「2波の安値は1波の安値よりは下回らない」と言われているので1波の安値より少し下に損切り(=S/L:ストップロス)を置きます。(図3-3)

(図3-3)15m足:EURUSD


(コラム的なメモ②)
「フィボナッチリトレースメント」「フィボナッチエクスパンション」など、フィボナッチツールは
名前が取っ付きづらいですが、簡単に言うと「ものさし」です。
ある安値から高値までの値幅を100%としたときに、その後の値動きが161.8%とか38.2%とか特定の比率の位置まで
のちの高値や安値が伸びることが多く、未来の価格をある程度測ることができます。
不思議ですが、相場ではフィボナッチを使ったものさしにピタリと合った値動きが多く確認できます。




3.利確目標決定
 厳密な利確目標は、エントリー後に決めても良いです。
私も、このトレードでは、エントリー直後に利確目標となる指値を決めました。
ただ、ある程度の目算がないと不利な位置でエントリーしてしまい、結果的に損することもあるので
大体の利確位置はエントリー前に把握したいですね。
その目算をする意味で、「④エントリー」の前に説明をさせてください。
※説明のしやすさのため、ここでは、2波の終点および3波の始点が分かっている前提で書かせてください。

まず、利確目標となるエリオット波動3波の終点を予測するための理論は
「3波の終点の最小目標値は、1波の距離の161.8%を2波の終点から足すことで得られる」です。不思議ですね。

ここでも魔法のフィボナッチを使います。
「フィボナッチエクスパンション」を使って利確目標を決めます。(図3-4「フィボナッチリトレースメント」との違いも図中で説明。)

波動1波の1波の距離(=ものさし)を基準100%として、その161.8%を2波の終点から足した位置(緑ライン 1.19040)が利確目標の目安となります。
「1.19040」という値は1.19000のキリ番と近いので、私は1.19000を指値にしました。

リスクリワードは、スプレッドも考慮して
エントリー:1.18456
指値:1.19000
逆指値:1.18050
で計算し、リスクリワード約1.34でした。→④エントリーへ

(図3-4)15m足:EURUSD 利確目標の算出




④エントリー
ようやくエントリーまで来ました。ここまで読んでいただきありがとうございます。
ただ、エントリー前までの準備をここまでしっかりしなければ、良いトレードはできないということだと私は思います。


エントリーの段階まで来たら、私は5分足チャートを使います。

2波の終点→3波の始点を捉え、エントリーします。
2波→3波は要するに下落→上昇に移り変わるところなので、それがわかるように小さなトレンドラインを引きます(図4-1黄ライン:ラインを引いた2点を薄黄の矢印で図示)
そして、下落→上昇に変わった根拠が複数揃ったらエントリーします。

今回は以下の根拠でエントリーしました。(図4-2)

1.黄色のトレンドラインブレイク
2.ブレイク前のローソク足がダブルボトム模様
3.ブレイクした陽線が力強い(この辺りは感覚になります)

5分足のチャートではローソクのパターンが無限にあるので、上記の根拠が絶対ではないですが根拠は複数あるのが良いです。

ここで注意すべきなのは、下落→上昇が起きず、そのまま崩れることがあるということです。
相場は人が動かしている世界なので、絶対はありません。
エントリー根拠が崩れたら、見送ります。

(図4-1)5m足:EURUSD エントリー時(わかりやすさのため、インジケータは20SMAのみ表示)
(図4-2)5m足:EURUSD エントリー時




⑤利益確定

あとは、指値が刺さるまで待ちます。
相場に絶対はないので、状況を見て手動で利確することもありますが、
今回は波形がとても綺麗であり、安心して見ていられました。

そして、実際に目標に到達し利確されました。(図5-1)

(図5-1)15m足:EURUSD 利確目標到達




【最後に】

ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。
今回のトレードは久しぶりに綺麗に決まったトレードだったので、自分の記録としても残したかったですし、
トレードを学んでいる方々にとって参考になるものだと思い、書かせていただきました。

相場というのは、人間が動かしているものであり、教科書のような綺麗なチャートになることはとても少ないです。
だからこそ、鑑となる実戦トレードの記録は貴重だと思いますし、
鑑があるからこそ、相場の違和感に気づき上手く立ち回ることができると思います。

ありがとうございました。

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